バイク 定番トラブル解決マニュアル

ほとんどがバッテリー不良

セルモーター

バイクのセルモーターのトラブルは、ほとんどの場合バッテリーの不良が原因になっています。まれに電極の接点不良なども発生します。バッテリーや電気接点以外の原因で異常が発生した場合は、専門店に相談するのが賢明です。セルが回らないときはまずバッテリー不良が原因と考えるのが常識です。オープンタイプのバッテリーならば、比重計測を、MFバッテリーならテスターを使って電圧を図ってみる必要があります。毎日乗っているバイクでも、乗り始めて2年以上が経過してセルが重いと感じるようならば、バッテリーの点検をしてみてください。

セルの回りが重い原因にはバッテリーのほかにエンジンオイルが固すぎる、つまり粘度が高い場合や電気接点の不良によって電気の流れが悪い場合などが、考えられます。電気接点は車体の下部についているので、水や泥をかぶりやすくなっています。常にきれいにしておきたい場所です。セルモーターは基本的にエンジンの前方下にあり、丸い筒状の形をしたものがついています。これについている接点カバーをめくると、泥などで汚れたねじが見えてきます。これを外して接触する部分をワイヤーブラシや、サンドペーパーで磨きます。汚れがひどかったりカビがふいていたりすると、電気抵抗が増えてセルは重くなってしまいます。磨いた接点を組み付けた後は、接点カバーにグリスをたっぷり入れてからカバーをします。グリスを入れると水分が接点につきにくくなり、腐食やカビの発生を防ぐことができます。

バッテリー上がりの対処法

バッテリー

バイクにおけるトラブルの中でも、バッテリー上がりによる停止はもっとも多いものです。もともと消耗品といえる部分だけに、いつしか必ず停止してしまうときが来ます。そして、普段走らせていないと、知らず知らずのうちに放電していて空になっていることも少なくありません。それだけに、誰もが常に気をつけておかなければなりません。

このような症状でバイクが止まってしまったときには、いくつかの応急処置が有用です。スクーターや業務用の多くにはキックスターターがついていますので、これを使えば再び動き出します。しかし、中型や大型のように、付属していない場合には、押しがけといわれる方法が効果的です。これは、タイヤを回すことによって、力をエンジンに伝え、強制的に起動される方法になります。まずキーは必ずオンにしておき、ギアは2速に入れておくのが最適です。そのままチョークを入れて、クラッチを切って、バイクをしっかりと押します。力が十分にエンジンに伝わり、クラッチを素早く繋ぎ、エンジンの動作を感じたら成功です。あとは即座にクラッチを切り、チョークも戻しておきましょう。坂道を利用すると、少し楽にできることもあります。

こうしたトラブルは、一見バッテリーのせいに見えて、実は他の部分に原因があることも珍しくありません。たとえ、元通り走るようになっても、きちんと整備士に見せておくことが、長持ちする秘訣です。バイクのトラブルはアフタフォーローも万全にして、しっかりと乗りこなしていきましょう。